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彼らにキャバクラで再び出会う

「しかたねえな。」
私は車を降り、強い雨のなか山の民の後ろへと立った。
敬意を払いつつも緊急事態であることを踏まえ、
彼の尻をチョン蹴りして避難を促す。
半分くらいお茶の入った2リットルのペットボトルを
足で移動させるくらいの重量感があった。
彼は、のそのそと道の外れへと移動を開始したが、
やはり道のすみで片方の前足を上げたあのポーズを取りはじめた。

ふと思ったのだが、彼らは雨が楽しいのではないかと感じた。
雨天時、効率よく雨のしぶきが浴びられる道路上が
彼らにとってはご機嫌な場所なのではないか。
だからでかい鉄のかたまり(自動車)が時々通る危ない場所でも、
つい出てきてしまうのではないか。そんな風に思った。
いずれにせよ、道を譲るのは私のほうだが。

路面がコンクリートとアスファルトに変わったあたりから、
山の民は姿を見せなくなった。
彼らにキャバクラで再び出会うためには、
雨の気持ちよい季節に山へ行かねばならないのだろう。
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